ケーキ屋激戦区

家の周りにケーキ屋さんがたくさんある。
徒歩5分圏内で6軒もあるのはかなり多い方だと思う。
徒歩15分圏内に広げればさらに5軒加わるという、なぜかケーキ屋激戦区の所だ。製造をしていない小売りの菓子店まで加えるともっともっと増える。

なぜこんなにケーキ屋が多いのか?それぞれの店主に聞いたことがないので分からないが、どこのお店もそれなりに繁盛しているように見えるから不思議だ。
私が考える理由は、お店ごとにちょっとずつ売りポイントが違うことが、それぞれ成功しているヒミツだと思う。

材料にこだわったロールケーキが売りのお店は、グルメ雑誌などにも取り上げられ県外からも買いにくるほどで、広い駐車場が取られている。
チーズケーキ専門店は、ケーキ以外の焼き菓子にもチーズを使うこだわりがあり、その向かいにあるケーキ屋はバースデイやウエディングの大きなケーキを予約するお客さんが多い。

このお店はキャラクターデコレーションなどの見た目だけでなく、提携養鶏場のたまごを使うなどして材料の産地にもこだわっているので、可愛くて美味しいとリピーターが多い。
私が一番贔屓にしているのは、この辺りでは一番地味なお店かもしれない。

これといって特徴が無いのだが、特徴が無いケーキが食べたいときの方が多いと思うので良く通っている。
イチゴのショートケーキやガトーショコラ、レモンパイなど王道すぎるケーキだが、結局そういうのが食べたくなってしまうので、他のお店のイチオシケーキはおもてなし用として、日常的に食べるのはこの地味なお店のケーキだ。

一番お客さんの数として多いのは、この辺りのケーキ激戦区に建てられた全国チェーンの大きな洋菓子店だ。
個人経営のケーキ屋さんだけでも多いのに、そんな中にオープンさせるのは喧嘩を売っているとしか思えない。

正直味は普通で、他のお店のケーキには劣る。
しかし、差し入れとしてクッキーやまんじゅうをたくさん持っていかなければならない質より量のときには、このチェーン店を利用している。

このような土地柄だからか、この地域の人はきっとよく家庭でケーキが登場していると思う。
私もまだすべてのお店に行ったことがあるわけではないので、今年は制覇してみよう。

ケーキは粗めがよい

ケーキにはちょっとうるさい。
といっても、別にどこどこのが美味しいとか、何の素材を使っているからここのでないとだめだ、とかそんな高尚なレベルの話ではない。
ただ単に、ケーキのスポンジの焼き加減、クリームの硬さ加減にうるさい、というだけのことである。

最近のは、しっとりきめの細かいのが多い。
クリームも、柔らかくてなめらかなのが多い。

けれども私の好きなケーキはそんな柔なやつではない。
スポンジは、攪拌するときに大雑把にやりすぎた、とでもいうような、粉のダマがのこっているようなざっくりとしたやつがいい。
フォークを入れるとぼろぼろと崩れるようなカントリーケーキ然としたもの。
クリームに至っては、どうしてこんなに硬いの、というくらいのしっかりと角の残るやつが好みである。

米に関してもそうなのであるが、個人的には硬ければ硬いほど好きなのである。
だから、どうしたってケーキは高級ブランドケーキ屋ではなく、その辺の、もしかしたらパンとケーキ一緒に焼いているのでは、というような街のケーキ屋がいいのである。
いやなんならパン屋でもいい。
なんたってサバランが一等好きなのである。

とは言うものの、世界中のパティスリーを否定するのではない。
一個500円以上するようなケーキはもはや芸術品である。
そういう品に触れたいという時もむろんあるのである。
だから、時と場合によるのではあるが…。

それにしても基本的にはざくざくケーキがよいのである。
そして、突き詰めてみると、それは家のカレーしかり母親のケーキという、家庭の味であることに気づくのである。

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