学校のトイレをホテルのように

中学校掃除の時間が印象に残っている。
掃除に厳しい先生が、校内全ての掃除を仕切っていたからだ。
その先生が特に気合いを入れて指導していたのがトイレだ。

合い言葉は、学校のトイレをホテルのように。
開校してから十年程度の比較的新しい校舎だったが、時間の経過とともに建物は劣化していく。
特にトイレは、汚ければ使用者も気を使わなくなってしまう。

今のまだまだ綺麗なトイレをキープしていくことが大事なのだと、先生のチェックに余念がなかったのを覚えている。
毎日の掃除が、年に一度の大掃除並みの気合いの入れ方だったため、とにかく時間がかかった。

トイレは毎日水とクレンザーで磨く。
便器周りの磨きと吹き上げも毎回行う。

最初は苦痛で仕方がなかったが、先生が言っていた、ホテル並みまではいかないが、学校のトイレとしてはかなり綺麗だったので、使う方も気持ちがよかった。
綺麗なトイレであれば、使用者も綺麗に使う。

これを三年間でしっかりと身につけることができたので、どんな所であれ、清潔に保つことは大事だと今でも肝に銘じるようにしている。

旅館よりもホテル派

私は以前まで旅館よりもホテル派でした。
それはきちんとプライバシーが守られているような気がしたからです。
ドアにはしっかり内鍵まであり、中にはお風呂やトイレは一室に必ず一つはある、そういうイメージです。
そして、独立された空間は食事の際でも、お風呂の時でも誰にも邪魔されず、一回部屋に入ればチェックアウトするまでは誰とも接することなく過ごすことができる隔離された感じがよかったのです。
でも、今ではホテルの良さよりも旅館の良さを知った私。
仲居さんが部屋まで案内してくれて、隣の部屋の方ともお風呂に入る時間にすれ違えば挨拶をする、そんな雰囲気がとても温かく感じられるようになってきました。
人と接することがいいなと思えるようになったのは田舎の旅館に行った時でした。
最初は仲居さんの存在も疲れた自分の心にさらに人付き合いをしなければならないと言うプレッシャーがあったのですが、仲居さんが部屋を出る時に今夜はゆっくりおくつろぎくださいね、と声をかけてくれたのです。
なぜか私はこの言葉を聞いた瞬間、この人付き合いの心地よさ、程良い距離感、旅の醍醐味を味わったような気がしました。

それからというもの、ホテルから少しずつ旅館にシフトチェンジし始めた私。
和室で寝ころび、お布団でゴロゴロすることも楽しくなりました。
また、温泉宿の時には大浴場で他の人がいてもくつろぐ自分の心の余裕が出てきました。
ホテルにはホテルの良さがもちろんあると思います。
子育て世代の人は自分たちのペースで旅行を楽しみたいのならホテルも楽しいと思いますし、いや和室でないと子どもがベッドから落ちそうでとてもじゃないけど泊まれないという人もいると思います。
ホテルもあり、旅館もある日本の宿って本当に素晴らしいです。

«
»